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「(キス)するまで起きない」
そう言われて「はい、そうですか」と出来るものでもない。入り口でさっさと済ませて下さいとばかりに眼鏡の秘書官が冷ややかな目で見つめている。「あんたが見てると余計できないだろうが!」と言いたいところだが、そんなこと言おうものなら、この目の前のエロマセガキがますます調子に乗って「だとよ。ニール。向こう向いとけよ」なんて言い出すことは容易に想像できる。
ニケは涙目になりながら、何とかこの状況から逃れる方法を探した。が、パニックになった頭でそんなもの見つかるはずもない。
涙目で慌てふためくニケを面白そうに見ていたリヴィウスだったが、入り口で痺れを切らしたニールが「陛下。そろそろお時間です」と告げた途端、はあっと大きな溜息を一つついて身を起こした。
さすがにこれ以上の時間を使ってニケと遊んでいるわけにはいかない。太陽王として彼のやるべきことは山ほどあるのだ。
「もういい。ニケ。そろそろ時間だからな」
助かったとばかりに涙を浮かべたままほっとした様子のニケに向かい、リヴィウスはにやりと笑い顔を近づけた。
「そのかわり、今日はこれで許してやるけど、次はおまえからな」
ふわりと軽く触れた唇が離れたと気づいた途端、ニケは自分の身に起きたことに気づき、顔を真っ赤に染めた。
= Fin =