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「ねぇ、開いてみせなよ」
「あ…、やっ」
「今さら恥ずかしがるなんて、ちょっと卑怯じゃない?」
口からもれ出る言葉とは裏腹に、体は相手の言うとおりにしてしまう。
そう。きっと私は、それを望んでいるから。
穢れた関係。それさえも、望んでいるから。
「体は正直だよね。そういうの好きだよ、僕はね」
この男は最低だ。それでも、私からこの関係をやめられない。
やめてしまえば、きっと、死んでしまう。私が私でいられなくなる。
「今日はどうしたの?やけによがるね。何?そんなに欲しかった?」
あてがわれたものに、体が震える。
「言ってごらんよ。やめちゃうよ。ほら」
なんて意地悪なんだろう。でも、それさえも喜びにかわる。
私は狂ってるんだ。そうとしか、思えない。
「ねぇ、いいの?」
「あ、あ…」
男はどこまでもこの体をいたぶる気なのだ。
その証拠に、ほら、顔が醜く歪んでる。
それはきっと、私もなのだろう。
「ねぇ。早く言いなよ。ほら」
「あぅ、くっ」
まだ言わない。そのほうがこの男が喜ぶから。
そして、私も。
サバトは続く。
私の身が滅んでも。
= Fin =