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『俺が必ず見つけ出す』
また、あの声…。
小さい頃からずっと聞こえる声。
強く、熱く、私を捉えて離さない。
誰なのだろう。どうして私に話しかけているのだろう。
わかるのは、その声を聞くと、とても切なく、そして愛しくなるということだけ。
最近、頻繁に聞こえるようになった。
前は夢の中だけだったのに、近頃は起きているときでも聞こえる。エリコやマミに言っても茶化されて終わったし。私、どうしちゃったんだろう。
彼女に過去の記憶はない。
当たり前だ。人は新しくこの世に生まれ出でるとき、過去の記憶は奥深くに封印される。
それが誕生というものだ。誰も彼女を責めることなどできやしない。
もちろん、その声の主にも。
しかし、その人にはわかっていた。
すべてを理解し、それでもかの人を求めた。強く。熱く。
そして。
今、再び。
二人は巡り逢う。
= Fin =