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「どした、佐助。ぼーっとしてたらけがするぞ。」
最近、おいらの目に見えるもの。ゆらゆらゆれる細長いしっぽ。あれは、サスケの…。
おいらは佐助。つい最近おっとうが死んだ。今は大工の親方のところで一人前になるために修行してる。おっかあはおいらが生まれてすぐ死んだって聞いた。おっとうがいなくなっておいらは一人ぼっちになった。
「おい、佐助。昼飯の時間だぞ。手ぇ、洗って来い」
「はいっ!」
おいらは今、親方の家にいる。一人ぼっちになったおいらを親方が拾ってくれた。親方の家の人はみんなやさしかったけど、やっぱりおいらは一人だった。
「あっ…」
あのしっぽの影は、まさか、サスケ?
「どしたの?佐助ちゃん」
はしを止めてちゅうを見てるおいらを、親方の奥さんが心配そうに見てた。
「な、なんでもないです!蚊が飛んでたみたい」
それを聞いて「そろそろ蚊帳を出した方がいいかしら?」と奥さんがつぶやいているのをおいらはうんと遠くにいるみたいに聞いてた。サスケのわけないよ。だって、サスケは帰ったんだから…。